子どもに対する言動を一致させよう

早いもので、もう6月になります。子ども達にとっては、入園や進級といった環境の変化にやっと慣れたことだと思います。この時期に親として子どもと接する上で気にしておいていただきたいことを保育を例にしてお伝えしてみたいと思います。

人間関係において、必ず人には心理的なバリアが存在します。どんなに熱心に話をしても、この心のバリアが高く設定されていると、話を聞いてもらえません。僕達が子どもに接する時に注意しているのが、この心理的なバリアを低くすることです。

「先生」という威厳ばかりが目立ってしまう保育者では、子どもは高い心理バリアを感じてしまい、近寄ってくれません。その一方で、子どもと同じ存在でしかない場合は、子どもが保育者をなめてしまい、適切なクラス運営ができなくなってしまいます。保育者に必要なのは「優しさ + 威厳」であると、僕は先生達に伝えているのですが、時期をみて、比重を変えていく必要があります。

環境が変わったばかりの時期は、優しさでもって子どもを包んでいく必要があります。顔は知っていても、心は通じきれていない時期には、子どもの心理的なバリアは必然的に高くなっています。まずは、子どもの心理的なバリアを低くするために、心が通じるような接し方をしていくことが大切です。いくら「大丈夫よ、先生は○○君のお友達だから・・・」と口で言っていても、先生の顔がにっこりとしていなかったら、子どもは不安になってしまいます。行動と言葉の内容が違う場合は、子どもが混乱してしまうことになります。

ぜひ、ご家庭でもお子さんと接する時に、言葉と、行動を一致させるように心がけてください。幼稚園から帰って来た子どもに「今日も、頑張ったね、お母さん、うれしいよ」と、にこやかに声をかけてみると子ども達が園での様子をいろいろと話してくれることだと思います。