子どもをもっと抱きしめよう!

みなさんは我が子を抱きしめていますか?
僕は本当によく子どもを抱きしめます。我が子だけでなく園児たちも。
そうすることでとっても子どもとの心理的距離が近くなります。エインズワースという人が親子の愛着形成について、親子の間で行われる身体接触は親子の絆を深め、愛着を形成していく上で重要であると述べています。身体接触にはいろいろな形がありますが、その中でも特に抱きしめることが親からの愛情を実感し易いということです。「抱きしめる」って本当に愛情表現としてわかりやすいと思いませんか?言葉が十分に発達していない乳児でさえ「抱きしめる」ことで愛情を感じてくれるのですから、言葉で表現できない深いものを伝えてくれるように思います。

しかし・・・最近の研究によると親子の間で身体接触はあまり多くなく、母親から子への身体接触は年少期から年中期の間に顕著に減少すると言われています(茂木2003)。広島大学教育学部附属幼稚園の子ども達を対象として行われた「抱きしめ」実験では日常的にあまり抱きしめを行っていない父親と母親が子どもを抱きしめることで、子どもへの否定的な感情が低下したという結果がでています(今川・山元・財満・林・上松・松本・松浦2009)。日常的にあまり抱きしめていない親が子どもを抱きしめることによって親子の物理的、心理的距離を縮め、子どもへの肯定的感情を高めることになっているのです。子どもを抱きしめることが親から子どもへの愛情表現だけではなく、自分自身の感情をよりよいように変化させているということなんですね。
子どもを抱きしめるってとっても大切なことです。ひよっとしたら旦那さんをギュッと抱きしめることが夫婦理解のために役立つのかもしれません(*^_^*)

≪参考文献≫
茂木寿美子 (2003).幼児期における身体接触と自立の時期的区分 日本保育学会大会研究論文集,56,192-193
今川真治・山元隆春・財満由美子・林よし恵・上松由美子・松本信吾・松浦あずさ (2009).「抱きしめる」ことが親子に対するイメージと子どもの行動に与える影響に関する研究(2) 広島大学学部附属学校共同研究機構紀要,37,253-258