幼児期教育が大切な理由

規律を守るためにどのようにして子ども達に伝えていったらよいのでしょうか?このように考えると非常に難しいことのように思われるかもしれませんが、「絶対に○○しなければならない」と一方的に抑制してしまうのではなく、「どうして○○するとよいのか?」ということを説明してあげることが大切です。このあたりは、当園では保育の中できちっと子ども達との双方向でのやり取りを行っていますので、スムーズに行えています。これを話すとこれだけでかなりの分量になりますので、これはまたの機会にするとして、自分自身をコントロールするということについておもしろい実験がアメリカで行われています。室内で4歳の子どもにマシュマロを一つあげ、その時に「先生は少し部屋からいなくなるけど、その間にマシュマロを食べてもいいですよ。でも先生が戻るまで食べなければもう一つあげるよ」と伝え、部屋からいなくなります。

 この実験の結果、我慢できた子どもの時間は平均で約6分間でしたが、10年後に我慢できた子どもの学力や問題解決能力、ストレスへの対応力を調べたところ、我慢できた時間が長かった子どもほど全体的によい結果が出たそうです。つまり自分を律することができた子どもほど、後によい結果につながったということになります。とても興味深い実験ですが、2つの実験間の10年間の過程についてはまったく加味されていないので、幼児期に我慢ができた子どもほど、将来は学力や問題解決能力、ストレス対応力がよくなるとは一概に言えませんが、この実験からは我慢できていた子どもは一様に良い結果だったということから無関係ではなさそうだということが推察されます。
「我慢できる習慣が早くからできている子どもは自分の行動をうまく調整することが早くからできるので、学力などそれぞれに対して自分を律して向き合えるためによいパフォーマンスになる」というように解釈すれば、このような結果になったことは頷けます。
幼児期の教育ってすぐには結果として出てきませんが、数年後、十数年後にこうして何らかの影響がでてくるんですから、幼児期って本当に人間の一生の中でも大切な時期なんですね。