メタ認知力を高めよう

 先日、2歳児のお母さん方と子育ての話をしていた時に、第一次反抗期の話になりました。第一次反抗期は3歳前後にみられる大人からの命令や要求に対する抗いです。どうしてもこの時期の子どもの態度にイライラしてしまうという相談でした。

 そこでメタ認知という力を紹介しました。メタとは、「次元が高い、高次の」という意味で自分の認知よりも次元の高い認知を指します。つまり、メタ認知とは自分の認知を客観的にとらえる能力を意味します。
 このメタ認知力を鍛えることで、イライラに対処してみてはどうかと提案しました。自分がイライラしていることに気づくことができれば、そのイライラを制御することができると考えられます。つまり、自分自身を客観的にみることができれば良いということになります。どのようにしてメタ認知力を鍛えるのかは、思考や判断などの経験によってできるようになります。簡単に言うならば、自分自身を客観的に見る習慣をつけるということです。例えば、「ある人がした行動に対して、自分だったらどのように対処するのか」と考えてみることや「自分がした行為を振り返ってみて、どうしてそのようにしたのか」を自分で考えてみることがメタ認知力を鍛えることにつながります。
 自分を客観的にみることができれば、イライラしている自分に気づくことができるようになります。そして、事前に用意しておいていた自分にとってのイライラ解消法(例えばガムをかむと気が落ち着くとか、皿を洗えば気持ちが鎮まるなど)を実行することで、イライラが爆発せずにすみます。
 人はイライラするものです。だからイライラを止めようと考えるのではなく、イライラしてきた自分に気づき、その状態を抑える対処法を実施すると考えるほうが良いと思います。