絵本ブログについて

 ホームページをリニューアルした際に、前ホームページから引き継いだものがいくつかあります。その一つがこの「絵本ブログ」です。以前は「先生のブログ」というタイトルで運営していましたが、以前の内容をそのままに絵本の部分のみをピックアップして編集しています。新しくなった「絵本のブログ」はバナー部分をクリックしていただくと、以前の絵本に関する内容が再掲示されるようになります。

こちらをクリック⇒https://senseinoblog.hatenablog.com/

 絵本は子どもの育ちにとても重要な役割を担います。当園でも絵本の大切さを十分認識しているため、教育課程(子どもたちがその園で育っていく道のりを記したもの。法律で各園の園長が作成することが義務付けられています。)に子どもの発達に合わせた絵本を位置付けています。例えば同じクリスマスに関する絵本でも学年によって異なるものが位置づけられています。これは発達という側面からのアプローチとともに、3年間(3号児から含めると5年間)で多くの絵本に触れ、語彙だけではなく感性も豊かにしてほしいという私たちの願いが込められているからです。

この「絵本のブログ」は不定期ですが、先生たちがお薦めする絵本や子どもたちの絵本をあらすじとともに紹介していきます。どのような絵本が紹介されるかお楽しみに。

 

 子育て支援のホームページでは、「やまなみ絵本の森」というタイトルで絵本に関する疑問やちょっとした知識も掲載しています。ぜひご覧ください。

詳細はこちら⇒http://yamanami-kindergarten.jp/kosodate/qa.html

 

NEW ホームページ完成

コロナウイルスの影響で、長らくかかってしまいましたが、ようやく本日、ホームページを全面リニューアルすることができました。

以前のホームページでもお知らせしましたが、当園の保護者にも感染者が出ました。しかし、7月31日より通常通り、保育が再開できていますので、ご安心いただければと思います。励ましのお言葉やメールをくださった方もいて、うれしかったです。ありがとうございました。

 

今回のリニューアルは以前のホームページとは違い、写真をたくさん使用して、子どもたちの様子をお伝えできるようなサイトにしました。子どもたちの写真利用にご協力いただきました保護者のみなさんに感謝いたします。ありがとうございました。

 

また当園では、絵本に触れる機会や内容を明確に教育・保育課程で定めています。子どもたちが小さいうちにたくさんの絵本に触れることで、感性を豊かにし、創造性の育ちを支援できるようにしています。そして家庭では絵本を通して親子のコミュニケーションが豊かになることを願っています。園内には子どもたちが絵本に触れられる機会が環境としてちりばめられています。本好きになってくれることで、将来の人としての可能性が広がるのではないかと思っています。

 

そして、今回のリニューアルでは、「親子で一緒に過ごす時間を大切にしてほしい」という願いが絵本以外にもクッキングという形で表現してあります。親子で何か一つのことを囲み時間を共有することは、子どもの育ちには必要不可欠なものです。クッキングの力を借りて、それが実現できたらいいなあっという思いでクッキングページも作りました。今後はどんどん増やしていくつもりです。子どもが大きくなれば、語らいの場としても機能してくれると嬉しいです。

 

今後も以前にもまして、当園の紹介だけではなく、子育てに役立つような内容をホームページを通して発信していきたいと思います。

 

 

絵本ホームページ制作中

 昨年の10月より半年にわたって書いてきた絵本にまつわるブログも今日が最終回となります。最終回は語彙の獲得過程を書きました。皆さんの中には、最近は絵本ばかりと思われている方もいるかもしれません。今年度には、絵本の重要性を皆さんにお伝えしようと、図書館との共同の取り組みを行ったりもしました。
 絵本のすばらしさを皆さんに伝えたいという思いでこの半年を過ごしてきました。他にも図書室の絵本のリニューアルをおこなったりもしました。そしてその集大成として絵本のホームページ作成を計画しています。完成はもう少し先ですが、今以上に絵本のもつ魅力やすばらしさを皆さんにお伝えできたらと思っています。

ご期待ください。

子どもの語彙の獲得過程

 人は話し始めるのにその準備を生まれてしばらくして行います。クーイング、喃語などという言葉を聞かれたことがあるかと思います。1歳までの間に言葉にはなっていませんが、そのような準備期間を経て、単語から話し始めていきます。生まれてから2か月ぐらいまでの間は、何も見聞きをしていないように思えますが、実は赤ちゃんはしっかりと見聞きしています。ですから、赤ちゃんにかかわる大人は、この事実を踏まえて、赤ちゃんの顔を見ながら話しかけることが大切であると言えます。そして、だいたい生後3か月ぐらいになると自分の発声に対して、自分の周りの人が応答してくれることに気づいていきます。4か月にもなれば、母親と見知らぬ人との顔を見分けることもできるようになってきます。このように赤ちゃんは生後すぐから、大人が想像している以上のスピードで発達していくわけです。
1歳ごろになると初語が表れてきますが、その後はこの状態が6か月ぐらい続きます。1歳半から2歳にかけては単語を組み合わせて話す2語文が登場してきます。例えば、「ぼく、いく」などのようなもので、自分の意思を表すこともできるようになるのがこの時期です。幼稚園への入園ぐらいの時期では3語文が表れ始めます。早い子どもだと、2~3歳ごろには接続詞を使って文章をつなげることができるようになったり、行為の理由を説明したりすることができるようになります。
語彙数の増加は幼稚園入園前の3歳ぐらいで1000語ぐらいに到達すると言われています。そして小学校に進学するまでには、2500語ぐらいの語彙の獲得があり、しりとりなどの言葉のゲームもできるようになります。
これはあくまで標準的な言葉の獲得の流れです。人の言葉の獲得はかなりの個人差があります。この個人差は子どもが置かれている環境に左右されます。例えば、比較的無口なご両親に育てられた場合と、よく話をされる両親に育てられた場合は、子どもの語彙数に違いがある場合があります。また同じ家庭であっても性別や出生順位によって異なる場合もあります。ここで示す語彙数は標準的な目安です。この語彙数に達していないからと言って、即発達的に課題を抱えているかというとそうではありません。しかしながら、3歳を超えてまったくの発話がない場合、心配な方は心理士等の専門家に相談されることをお勧めします。

 

子どもはどのようにして絵本を楽しむのか

 物語絵本の場合、子ども達はストーリーが理解できるようになってくると、絵本の世界に自分自身を位置付けてストーリーを楽しむようになります。その証拠として、絵本を読み聞かせている時に、主人公がこけてけがをすると「痛い」とか、「キャー」というような声を発する子どもが出てきます。これは主人公に自分自身を重ね合わせている結果です。もしくは、登場人物が危険な目にあいそうになると自然と子どもたちの口から「危ない」というような言葉が発せられます。これは非現実の世界と現実の世界の間に位置し絵本の世界に引き込まれて絵本を楽しんでいるからです。大人も映画を見ている時に入り込んでしまい同じような感覚をもったことのある方も大勢いらっしゃると思います。ぜひ、絵本の世界を楽しめるような感性を子どもが持てるように大人も絵本を楽しんで読んでみるということをしてみてください。そうすればきっと子ども達の反応も変わってくると思います。

絵本を子どもに読み聞かせる上での留意点 Part2

 絵本を読む際には、聞き手という相手がいることを踏まえて読む必要はあります。絵本はコミュニケーションの一環であると、再三にわたりお伝えしていますので、読者のみなさんには十分にその意味を理解していただけていると思います。これさえ押さえていただければ、基本的に絵本をどう読むかは読み手の自由です。ただし、やってはいけないことが少しあるので、お知らせしておきたいと思います。
 保育の現場で絵本を読み終えた後に、子ども達にお礼を言わせている姿を目にすることがあります。例えば、保育者が2人いる場合に、読んでいない保育者が読み終えた直後に、「みんなでありがとうとお礼を言いましょう」とか、「なんていったらいいかな?」などと誘導しているような場合です。基本的にどちらもよくない行為です。家庭では、「ありがとう」と言わなければ次に読んであげないというようなルールを作るような場合、これもよくない行為です。子どもが感じた感情や思いを大事にするということが、感性を豊かにしていくことにつながるのですから、大人の価値観を思いもしていない子どもに押し付けるのはよくありません。本当に読んでもらって嬉しかったら子ども達の口から自然に「ありがとう」という言葉が生まれてくるはずです。
 物語絵本の場合だと、子どもがそこで面白いと感じると必ず、「また読んでほしい」という言葉が返ってきます。物語絵本はその内容を完璧に理解させることが目的ではありません。読んでもらって楽しい、面白いという子どもたちの感情をぜひ大切にしてください。

絵本を子どもに読み聞かせる上での留意点

 まずは、読み手と聞き手が絵本を通してコミュニケーションをとっているということを忘れないようにするとよいと思います。読むときにはゆっくり、はっきりと読むことを心掛けてみてください。子どもには、読み手がゆっくりすぎるのでは?と思うぐらいでちょうどよいぐらいになります。

 声の大きさにも注意してみるとよいでしょう。子どもとの距離に注意して十分聞こえるような音量で読んであげるようにしてみてください。聞き手の状態を見ながら、まるで会話をするかのように読み進めてみてください。その時には、子どもが絵本の世界に入りやすいように、時には子どもの目線を誘導することも必要な場合があります。でも決して、「〇〇はどうだった?」などと前に出てきた内容を確かめるような質問をしないようにしてください。読み始めたら、最後まで読み進めることを心掛けてください。欧米ではページごとに絵本を指さして“What’s this?”などのように内容を確認しながら読んでいくスタイルが主流ですが、日本では、そのようなことはしません。内容を理解するということに力点を置いているのではなく、子どもの創造性を育みところに力点をおいているためです。

 とにかく、絵本の読み方にうまい、ヘタはありません。コミュニケーションするような気持で聞き手の感情に注意しながら読んであげるだけで、子どもには読み手の思いが伝わっていきます。恐れずに、楽しそうに読んであげることが大切です。その際に、ひざの上に子どもを乗せたりしてスキンシップをとってあげるとさらに距離が近づきますよ。
 絵本を読んであげるときにも、「面白い絵本があるから一緒に読もう」というように読んであげるというよりも子どもと「一緒に読む」という感覚で子どもの感情をゆすぶってみてください。