幼児期・児童期は大人になるための土台作り

大きくなった時に自分で課題を見つけ自らが努力する人間になってほしい、という思いは、親なら誰でも我が子に願う気持ちではないかと思います。しかし、願うばかりではなかなかうまくはいきません。このような願う姿になってくれるためには幼児期や児童期にどのようなことをしておけばよいのでしょうか?

まずは、親が幼児期や児童期は大人になるための土台作りの時期であるととらえることが大切だと思います。そのために親が子どもにしてあげられることは、幼児・児童期の子どもの育ちを大切に思い、好きなことと出会わせてあげることです。そして好きであり続けるような環境を与えてあげることです。「本を読みなさい」と言っても子どもは読んではくれません。読みたいと思いような環境を整えてあげることが肝心です。例えば、いつでも絵本や本が読めるような状態を作ってあげたり、親が子どもの前で本を読んだり、一緒に本を読む時間を作ったりといったことが環境として大切です。大人になって本を読まない人は、そのほとんどが幼児・児童期に本を読む習慣がなかった人だと言われます。子どもの頃から読書を繰り返していくと、習慣化され、大人になってもそれが継続されると言われます。そして何よりも本を読むことに抵抗がなくなります。最初は、本を読むことを好まない子どもであっても、いつでも本を読める環境を整え、本を読む楽しさを伝えていくことで少しずつ本に慣れていきます。慣れてくると今までわからなかったことがわかるようになったり、新しいことを知る喜びを感じることができるようになります。チクセントミハイ博士のフロー理論によるとこの感覚が身に着くことで子どもが自主的に取り組めるようになるということです。この時期に子どもがフローの感覚を体験できるためには、大人が子どもの現状を理解し、小さな成功をたくさん体験さしてあげ、十分に褒めてあげなければなりません。まとめると、親は、幼児期は人間の土台づくりであると考え、我が子の主体性が発揮できるように、好きなことに出会わせ継続できるような環境を整え、たくさんほめてあげることが大切だということになります。