京女キャラバン開催

当園と京都女子大学との共同研究は古く、もう6年ぐらいになります。
継続しておこなっているものに造形活動での「コーナーあそび」があります。
日本保育学会や日本幼年教育会でもその成果を継続的に発表しています
毎年少しずつ形を変えて継続して実施しているのですが、今年度は学生と先生との役割をチェンジして行いました。



保育の指導計画を立てていくには、保育者の思いや願いが大変重要になってきます。
それらが「保育のねらい」として反映されるのですが、保育者の思いや願いが強すぎてもうまくはいきません。必ず加味しないといけないのは、子どもの現状を理解するということが必要になります。
いくら立派なねらいを立てたとしても子ども達の実情にそぐわないものであるならば、それは絵に描いた餅となってしまいます。そればかりか過度な要求を子どもにしてしまうことにもなりかねません。当園の先生たちには園内研修を通じてこのようなことを日ごろから意識できるようにしているのですが、通常は学生レベルでは困難なことです。
しかし、学生が継続的に子ども達とかかわり都度、省察を行うことにより、子どもの発達を理解して指導計画を立てることが可能となってきます。
京都女子大学とはこのようなコンセプトのもと、学生の育ちと先生たちの育ちを願い、彼女たちの「子どもを理解し関わる」力の育成に励んでいます。


話しがながくなりましたが、今回はこのような従来からのコンセプトを継承しつつ、学生が主となり今回のコーナーあそびを企画立案しました。そこに先生たちが入り、協働してコーナーを運営するというスタイルです。
事前に各コーナーの概要やねらいを京女の学生よりもらっていましたので、なんとなくイメージができていましたが、いざ始まってみると、予想よりも学生が保育者にまけないぐらいの関わりを見せてくれていたのには驚きました。そして何よりも子ども達が落ち着いて一つのコーナーで集中して取り組む姿や、自然と共同で制作に取り組む姿をたくさん目にすることができました。
子どもと子どもの関わりを広げ深めていこうと奮闘している学生の姿には将来の即戦力として保育業界を引っ張って行ってくれるであろう頼もしさを感じました。
また実践より学んだであろう子どもの動線を考えての環境設定には、実践より学ぶ大切さを感じることができました。
学生と一緒に活動することにより学生の育ちを感じることができたとともに、考えて保育をしていくことで保育者の質はまだまだ高められるということを再確認できました。

私たちもまだまだ学生には負けません。今後も大学等の研究機関と協働関係を続けて保育業界の発展に寄与できるように私たちも努力していきたいと思います。