子どもを外で遊ばせよう!

子どもの運動能力が低下してきていると言われますが、保育の現場でもそのように感じることが多くあります。走っていてこけると手をつかずに顔から地面についてしまう子どもが増えています。文部科学省によると昭和62年ごろから小中学生の体力は低下し続けているそうです。その大きな原因として子どもの行動範囲が狭くなってきているからだと千葉大学の明石先生は指摘されています。NHKが1980年に小学校5年生を対象に一日の歩行数を調査したものでは一日に23000歩だったものが、明石先生の2009年の調査では10000歩程度になっていたそうです。子どもの一日の歩数が半分以下になっていたんです。驚きですね!この調査からも子どもの遊びがアウトドアからインドアのものになっていることが容易に推察されます。今の子ども達にとっては遊びとは部屋の中でするものであって、外で元気に走り回って遊ぶといのは彼ら彼女らの中にはなくなってきているのかもしれません。これでは昔の子ども達が自然と遊びを通して獲得してきた運動能力が減少してきているのも頷けます。行動範囲が狭くなると遊ぶ量も少なくなり、その結果、おなかがすかないのでご飯も食べられず・・・でも小腹は減るからおやつを食べて・・・これが肥満の原因にもなっていると言われます。

外で元気に遊ばないことがなんだかとっても悪循環を起こしているように思えます。ご家庭でも、お子さんがどのような遊びをしているか少し気にしてみてください。「友達と遊んでいるから大丈夫だわ」と思われていても、案外部屋の中での遊びが多いのかもしれません。親が意識を変えてみないと、子どもの遊びは変わりません。

≪参考文献≫明石要一 2010 子どもの規範意識を育てる―子育て支援の方程式― 明治図書