仕事をしながら子育てをされている皆さんへ

当園でも仕事を持たれる母親が増えてきました。25年前の預かり保育(りす)は多くて10人程度でしたが、今では50人を超える日も多々あります。新2号認定も増えてきています。女性が社会に再び出ていくことは、歓迎されるところですが、仕事と家庭との両立が難しく、途中で心身に不調をきたす方が出てきます。子育てをしながら仕事をするというのは時間の制約もあり、とてもハードなことだと思います。近年、父親の育児参加が増えてきており、良い傾向になってきていますが、それでも母親の負担はとても多いように思います。

研究では、専業主婦よりも仕事を持つ母親の方が精神的な育児負担は少ないとなっていますが、一概にはそのように捉えることはできないと思います。うまく仕事と子育てを分けて考えている方は仕事がリフレッシュの場になっているため、上述したような研究結果がでているものと思われます。うまく子育てと仕事を両立させるには、父親の育児参加は必要不可欠ですが、それだけではなく、母親の意識の持ちようも大切だと思われます。

僕はそのような母親に「完璧を求めない」ことの大切さを伝えていましたが、精神科医の奥田弘美さんが、著書の中で子育て中の母親へのアドバイスとして3つの「ない」をキーワードにされていました。とてもわかりやすいので紹介します。その3つの「ない」は、「比べない」「焦らない」「頑張りすぎない」です。ついつい人は他人との出来不出来を比べてしまいがちです。仕事を持っているお母さんは特に、子育て中は、子どもだけではなく、自分自身の仕事についても他人と比べて焦ったりしないで、心身の負担をかけてまでも頑張りすぎないようしましょう、と言われています。仕事と子育てをしていく上で、とても重要な視点だと思います。子育て中は、この3つの「ない」を忘れないようにしておきたいですね。