人間関係力を育もう

子ども達が大人になった時に、1人で生きていくためには、人間関係は避けては通れないものです。人との関わりなしに生きていくことなどできないのです。そのためには、幼児期のうちに「人と一緒にいると心地よい」という感覚をもってくれたら、大人になった時に人との関わりで困ることがなくなるのではないかと思っています。
「人と一緒にいると心地よい」という感覚の中には、相手の気持ちを大切に思って行動することや自分が困った時に周りに助けを求めることが含まれます。自分の思いだけを主張するのではなく、他人を尊重し、他人のことを思って行動することができるようになっていると、自分が困った時に自然と他人が助けてくれます。「あの人はいつも私のことを考えてくれているから、あの人が困ったら助けてあげよう」と人は思うものです。だから、相手の気持ちを考えられる大人になってほしい、そうなってくれることで、人から信頼され、頼りにされるわけです。

ただ、いつもいつも他人が運よく助けてくれるわけでもありません。困っているときには困っていることを他人に伝える力が必要です。人生には自分の力だけではどうにもならない状態に出会うことがあります。その時に、「困っているから助けて」と言える勇気と行動力が必要です。そして、他人のことを考えて行動できる力、これらは一朝一夕では身についてきません。人と接し人にもまれることで少しずつ身についていくものです。幼児期にはできるだけ多くの人と多くの接する機会をもつことがこのような勇気と行動力、そして心を育んでいくことになります。