依頼をするときは分担することを知らせよう

人に何かを依頼するときに、みなさんはどのような言葉を投げかけますか?多くの方はストレートに「○○してほしい」とか、「◇◇お願いね」などというような依頼をされているのではないかと思います。実は、これって、あまりよい依頼の方法ではありません。

幼稚園に通うぐらいの子どもの場合は、大人が絶対的な存在であるので、例えば、「新聞をとってきて」と言っても、「は〜い!」と何の苦もなく、手伝ってくれます。でも、小学校の高学年ぐらいになると、「は〜い!」と言ってくれていたのが「え〜〜っ!」に変わります。やってくれたとしても、しぶしぶという感じになります。しぶしぶやってくれるならまだしも、「そんなん、自分でやってよ」などと言われることもあるのではないかと思います。

残念ですが、子どもの成長ともに、このようになっていくのは自然なことなのですが、依頼の仕方を変えるだけで、このような年齢の子ども達でも、手伝いをしてくれるようになります。ストレートに依頼ごとを頼むのではなく、「自分(依頼者)のことに言及して依頼する」というのを忘れないように情報として伝えるとうまくいきます。

具体的には「お母さんは○○するから、あなたは◇◇してね」というように伝えます。「あなただけにお願いしているのではなくて、お母さんもしているのよ」と、分担しているのが分かるようにしてあげるとよいのです。分担を明示してあげると、子どもにはわかりやすく、反発心を持たずにやってくれるようになります。

僕達保育者は、園では、このような分担を明示して子ども達に言葉をかけます。「☆☆ちゃんには、◎◎を、○○ちゃんには、××をお願いしたから、◇◇ちゃんは、△△をお願いね」というような感じです。集団の中では、人の行動や意見に影響を受けやすい傾向があります。分担の明示と他の人に影響をうけやすいという人の同調行動を理解して子どもに接することで、こうすれば、「私だけするの?」とか「○○ちゃんだけずるい〜」などということはなくなります。ぜひ、試してみてください。