いじめ予防として家庭でできること

11月末に大阪教育大学教授の戸田有一先生を招いて、幼児期からできるいじめ予防について講演会を行いました。
その中で、印象的だった内容を少し紹介したいと思います。参考にしていただければと思います。

まず初めに、いじめの芽を開花させないためには、子どもにお手伝いをさせてみることを勧められていました。
「お手伝いをすること」を目的にするのではなく、子どもがお手伝いをすることに対して、親が子どもに「感謝をする」のが目的だということです。感謝をされる経験をたくさんしていることが、大切だと言われていました。つまり、人の喜びを自分の喜びと感じることが大切なんだと思います。


二つ目に、いじめをうけていた場合、助けてと言えないことが問題であるということでした。親子の関わりが少ないからではなく、言葉では言えないことが問題なのでしょう。また、言葉だけで親は判断してしまいがちなのでしょう。
親は子どもとのやり取りを言語的コミュニケーションだけに頼るのではなく、言葉以外の子どもの様子や行動、表情に気を配る必要があると言われていました。
一つの方法としては「休み時間が楽しいか」という問いに「楽しい」と楽しそうな顔で答えていると大丈夫だと解釈できると言われていました。確かに授業は楽しくなくとも、休み時間が楽しければ仲間との関係はうまくいっていると解釈できます。


三つ目に、学校の取り組みとしてこれから大切なのはピア・サポート的な考え方であるということでした。当園も僕が園長になってから、ピア・サポート的な考えでピア・チューターー制を保育の中に取り入れています。仲間が違いを認め合うことで、子ども同士の人間関係の広がりと深まりが見られ、思いやりや優しさが日常的に見られるようになってきています。